確定測量図・現況測量図・地籍測量図とは?仮測量と実測図も解説

不動産の売買営業に携わっていると、色々な名前の測量図が登場してきて混乱しませんか?

でもこの記事を読めば、もう混乱しなくなります!

この記事では、宅建業従業者が押さえたい確定測量図、現況測量図、地籍測量図について、不動産売買初心者の方向けにわかりやすく解説します。

また併せて仮測量と実測図という、不動産売買の現場で用いられる測量図の周辺用語についてもご説明します。

では、どうぞ。

目次

確定測量図とは

私たち宅建業者が扱う測量図の中でも、まず一番に押さえたいのは、やはり確定測量図だと思います。

確定測量図とはどういうものでしょう?

以下に見て行きましょう。

現況測量図との違いに見る確定測量図

確定測量図は、後述する現況測量図との違いで見ていくと分かりやすいです。

確定測量図は対象となる土地を測量した測量図ですが、隣接地の所有者とのあいだで、境界を確認し合っていることがポイントです。

ここで言う「確認し合っている」とは、下記2点を済ませていることを意味します。

1.すべて隣接地の所有者とのあいだで、現地で境界を確認し合うのを済ませている。

2 .すべて隣接地の所有者とのあいだで、境界を確認した旨を明らかにした書類(=一般的には「筆界確認書」と言います)への記名押印を済ませている。

確定測量図という言葉の「確定」という意味は、測量においては極めて重い意味を持つことが、お分かり頂けたでしょうか?

どんなに精度の高い測量図であっても、上記2点を伴わない測量図には、「確定」という言葉を用いることはできません。

いわば確定測量図とは、不動産業者の立場としては、筆界確認書とセットになった測量図、と捉えておくと良いようです。

現況測量図には、この書類は存在しません。

確定測量図の効力

確定測量図には、以下の2つの効力が備わっています。

a.対象地の面積が確定している。

b.隣接地との境界が確定している。

したがって不動産売買において、面積のことで揉める心配は原則ありません。

また隣接地の所有者とのあいだで、境界のことで揉める心配も原則ありません。

現況測量図とは

では次に、現況測量図について見ていきましょう。

確定測量図との違いに見る現況測量図

現況測量図とは、上記の確定測量図とは対照的に、境界を確認し合っていない測量図のことを言います。

ただし一口に現況測量図と言っても、その言葉が用いられる範囲は広いようです。

近い将来確定測量することを見据え、あとは隣接地所有者との境界確認と、その旨を明らかにする書面を取り交わせば確定測量図になる、という状態の現況測量図もあります。

また一方で、依頼主による口頭説明と現況だけを頼りに作成された測量図も、現況測量図と言ったりします。

不動産業者としては、筆界確認書が備わっていない測量図=現況測量図、と捉えると良いようです。

したがって現況測量図には面積を確定する効力や、境界を確定する効力はありません。

現況測量図が用いられる場面

このように特別な効力が無い現況測量図ですが、これが用いられる場面とは、いったいどういう場面なのでしょう?

それはいわば、「とりあえず測量しておきたい」という場面と言えると思います。

実は確定測量図の作成には、かなりの費用とかなりの時間がかかります。

一方現況測量図は比較的安価で、かつ短時間で作成できます。

例えば契約に際し、最終的には確定測量するけど、本当に契約するかどうかわからない、という場合があると思います。

とは言え検討者としては、契約するしないの判断材料として、ある程度正確な面積を知っておきたかったりします。

現況測量図が用いられのはこんな時です。

こういう場合、依頼を受けた土地家屋調査士さんや測量士さんは、確定測量を念頭に置いて現況測量図を作成すると思われます。

また登記記録が古い土地を売り出す場合などにも、現況測量図が作成される場合があります。

より精度の高い面積の数値を出しておくことで、購入検討者へ説明し易くなり、売却し易くなると考えられるからです。

こういう場合土地家屋調査士さんや測量士さんは、依頼主からの聞き取りや現況を頼りに、現況測量図を作成すると考えられます。

現況測量図は、聞き取りと現況だけで作成される場合もあれば、現地や旧資料等を細かく調べあげ、あとは筆界確認書が備われば確定測量図になる、というハイレベルな調査によって作成される場合もあるようです。

地籍測量図とは

地籍測量図は、確定測量図や現況測量図とは、いわば違ったものです。

以下に見て行きましょう。

確定測量図及び現況測量図との違いに見る地籍測量図

地籍測量図とは、法務局に保管されている測量図のことです。

例えばAという土地をBとCに分筆し、それを登記しようとする場合、申請書類として測量図を提出する必要があります。

そうやって申請書類として提出され、その後保管された測量図、それが地籍測量図です。

現場から上がってくる確定測量図や現況測量とは、大きく異なります。

したがって地籍測量図を確認しようとする場合、法務局や登記情報サービスからその写しを取得することになります。

一方確定測量図と現況測量図は、法務局等からは取得できまさん。

土地所有者個人が保有しています。

地籍測量図と確定測量図との関係

上記で地籍測量図は、分筆登記等の申請書類として法務局に提出される測量図のこと、と申し上げました。

ではその測量図とは、どういう手法で測量されたものなのでしょう。

実はこれこそが確定測量による手法で作成された測量図です。

地籍測量図とは、確定測量図を不動産登記法に基づく仕様で作成され、法務局に保管された測量図のことです。

ただしこの流れが確率したのは、2005年以降とされています。

2005年3月に不動産登記法が改正せれ、それ以降、地積測量図が確定測量を前提とするようになったとされています。

私たち宅建業従業者にはあまりピンときませんが、土地家屋調査士の方々にとっては、これは極めて大きな法改正だったようです。

地籍測量図の精度と日付

上記で地籍測量図は、2005年の不動産登記法の改正以降、確定測量を前提とするとご説明しました。

したがって地籍測量図に記載されている日付が2005年以降だったら、確定測量図と同等の精度があると判断して良さそうです。

しかしそれ以前の地籍測量図については、精度が高いとは言い難いです。

また登記記録によっては、地籍測量図の日付が極めて古いものもあります。

そのような古い地籍測量図は、今ほど成熟していない測量技術によって測量され、実状との誤差が大きい可能性があるとされています。

地籍測量図を確認する際には、その日付に注意しましょう。

宅建業従業者が頼りにすべきは地籍測量図でなく確定測量図

地籍測量図は位置付けとして、公的書類ではありますが、上述した通りその精度はバラバラです。

したがって私たち宅建業従業者が売買の根拠資料として用いるには、やはり信頼性が乏しい場合が多いです。

ましてやその売買が実測売買の場合、その地籍測量図が2005年以降の精度の高い測量図であっても、それ単体で取引を成立させることは、原則できません。

そういう場合であっても、やはり確定測量図が求められます。

私たち宅建業従業者としては、その売買取引に敷地境界の確定を求められる場合、頼りにすべきは確定測量図になります。

2005年という地籍測量図の精度の分かれ目の年についても、それを記憶に留めるのは、不動産登記法に馴染み薄い私たち宅建業従業者には、なかなか難しいのではないでしょうか。

私たちは大きな括りとして、確定測量図は境界や面積の根拠、地籍測量図は参考資料、と捉えておくと良いようです。

仮測量とは

不動産の売買営業に携わっていると、上記3つの測量図以外に、仮測量とか仮測量図という言葉を聞くことがあると思います。

仮測量、仮測量図とは、果たしてどういう意味なのでしょう?

仮測量とは仮の測量、いわば現況測量図を作成するための測量と捉えて良いようです。

したがって仮測量図とは、現況測量図のことと捉えて良いようです。

ただし確定測量において、隣接地所有者に境界を確認してもらう前の測量図のことも、仮測量図と言う場合があるようです。

「仮測量図を隣接地の所有者に確認して頂だき、問題なければ確定とする」といった文脈で用いる場合などです。

この場合の仮測量図の意味は、現況測量図とは異なります。

仮測量図とは現況測量図のこと、あるいは確定測量図の作成プロセスにおける、確定前の測量図のこと、といったところでしょうか。

いづれにしても、上記で述べた確定測量図、現況測量図、地籍測量図の3つとは別に、仮測量図という測量図がある、というわけではありません。

私たち宅建業従業者としては、上記3つの測量図だけしっかり押さえ、仮測量図という言葉は文脈の中で判断していけば良いようです。

実測図とは

不動産の売買営業に携わっていると、実測図という言葉も聞くことがあると思います。

実測図という言葉が不動産登記の分野で用いられる時、その意味合いはより限定的で、地籍測量図を指すとされています。

しかし不動産取引の現場においては、確定測量図と現況測量図を問わず、実際の測量に基づく測量図を実測図と言うように思います。

いずれにしても、実測図という測量図が、個別に存在しているわけでないことは明らかです。

私たち宅建業従業者としては、実測図=測量図全般という認識で良いかと思います。

土地家屋調査士と測量士

実は土地の測量自体は、機材と技術があれば、土地所有者自らが行っても構わないとされています。

そうは言っても大抵の場合、機材も技術も持ち合わせていないので、一般的にはスペシャリストにお任せするわけです。

土地測量のスペシャリストとは、土地家屋調査士と測量士がいます。

さて共に土地測量の技術を持つ土地家屋調査士と測量士ですが、両者の違いとは一体どういう点なのでしょう?

まず何よりも違うのは、土地家屋調査士が法務省管轄の国家資格であるのに対し、測量士は国土交通省の国家資格である、という点です。

更に実務においては、土地家屋調査士が登記の申請を行えるのに対し、測量士は行えない、という違いがあります。

私たち宅建業者が関わるのは大抵の場合、土地家屋調査士のほうになります。

まとめ

いかがでしたか?

測量図については、何はともあれ確定測量図、現況測量図、地籍測量図の違いについて、しっかり押さえることが重要です。

最後にもう一度、内容を振り返っておきましょう。

□確定測量図とは

・筆界確認書が備わった測量図

・確定測量図は、面積と境界について効力が備わっています。

□現況測量図とは

・筆界確認書が無い測量図

□地籍測量図とは

・法務局に保管された測量図

□仮測量とは

・現況測量図、確定前の測量図のこと

□実測図とは

・不動産登記法においては地籍測量図のこと

・実務においては測量図とほぼ同義語

□土地家屋調査士と測量士

・土地家屋調査士→法務局管轄/登記できる

・測量士→国土交通省管轄/登記できない

この記事は以上となります。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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この記事を書いた人

はじめまして。宅地建物取引士のケイヒロと申します。40歳代半ば過ぎに不動産会社に転職し、住居賃貸営業、店舗事務所賃貸営業を経て、今は売買営業をやっています。よろしくお願いします。

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