【不動産賃貸】用途変更は確認申請不要な場合こそ注意を要する理由

不動産賃貸のお部屋探しから店舗・事務所等事業用建物賃貸に移ってまだ日が浅いと、「用途変更」という言葉の意味が分からず不安じゃありませんか?

でもこの記事を読めば、それが分かります!

この記事では、用途変更そのもののご説明に加え、店舗・事務所等事業用建物賃貸の仲介業者が用途変更に関わる場合の注意を記します。

ぜひ用途変更を押さえ、事業用建物賃貸を扱うスキルを上げていきましょう!

では、どうぞ。

目次

用途変更とは

先輩やベテランの方々がよく口にする「用途変更」という言葉、そもそもどういう意味なのでしょう?

結果から申します。

用途変更とは「当初の用途から他の用途に変更すること」を言います。

ただ、これには少し補足説明が必要です。後程ご説明します。

とはいえ意味自体はこれでオーケーです。

用途変更で確認申請が必要となる場合

ご存じの方も多いと思いますが、用途変更は確認申請が必要となる場合があります。

下記2つが、同時に当てはまる場合です。

1.変更となる床面積が200m2を越える場合

2.特殊建築物に変更となる場合

あくまで2つ同時です。どちらか1つの場合は必要ありません。

特殊建築物とは

上記説明に特殊建築物という言葉が出て参りました。

どういう建築物でしょう?

特殊建築物とは、物販店舗・飲食店など不特定多数の者が利用する施設や、倉庫・自動車車庫など災害の危険性がある施設などのことです。

特殊建築物については、建築基準法の法別表第一という箇所で明確に規定されているます。

用途変更と、建築基準法その他関係法令について

さここまでで、用途変更の意味や確認申請が必要な規模、更に特殊建築物の意味について見て参りました。

それでは私たち店舗・貸事務所等事業用建物賃貸の仲介業者が、用途変更を伴う物件を扱う際に、最も注意べきはどういうことでしょう?

それは、変更後は建築基準法その他関係法令に適合させましょう、ということです。

そしてその注意の度合いは、確認申請を必要とする用途変更よりもむしろ、不要の場合のほうが大きいように思います。

なぜなら必要な場合は、ほぼ確実に建築士さん等用途変更のスペシャリストが関与してくださるからです。

スペシャリストが関与してくださるから仲介業者はあとは知りませんではいけませんが、やはり安心です。

ところが確認申請不要の場合、賃借を希望するお客様が連れてくる内装業者さんが、建築基準法その他関係法令にあまりお詳しくない場合があったりします。

確認申請が不要とは言え、スペシャリストの関与が無い状態で用途変更の工事が進んでしまい、後で落ち度が発覚したら大変です!

店舗・貸事務所等事業用建物賃貸の仲介業者は、その用途変更にスペシャリストの関与が有るか無いかを、速やかに明らかにしなければなりません。

そしてもし関与が無かったら、速やかに手配する必要があります。

【重要】店舗・貸事務所等事業用建物賃貸の仲介業者が、より一層注意を要する用途変更5つ

以下に私たち店舗・貸事務所等事業用建物賃貸の仲介業者が、より一層注意を払いたい用途変更のケースをまとめました。

基本的に確認申請不要な用途変更ですが、一見必要ないように見え、実は必要なケースも1つ入っています。

(注)

確認申請を必要とする用途変更にも注意を要することを大前提とし、建築士等の関与がない恐れがあるという意味で、掲げております。

200m2未満を特殊建築物に変更する場合

特殊建築物への変更ですが、対象面積が200m2未満だったら確認申請不要です。

しかし建築基準法その他関係法令は、適合させなければなりません。

当該物件に客付け側仲介として携わる場合、お客様が依頼している内装業者が建築基準法その他関係法令を熟知していない場合は、熟知している他の内装業者にスイッチして頂くようお願いしましょう。

200m2以上を特殊建築物でない用途に変更する場合

事務所が入っていた210m2の物件に、バレエ教室が入る場合などがこれに当たります。

対象面積は200m2以上ですが、変更後の用途が特殊建築物でないので、確認申請は不要です。

しかし建築基準法その他関係法令で、適合させなければならないところがあったら、確実に適合させなければなりません。

賃借しようとしているお客様が連れてきた内装業者さんが、万が一法令にお詳しくなかったら、速やかに対処しなければなりません。

200m2未満を特殊建築物でない用途に変更する場合

200m2以上でもなければ特殊建築物でもないので、確認申請は不要です。

例えば80m2の学習塾の後に、リラクゼーションサロンが入るなどがこれに当たります。

規模も小さいですし、一見何も無さそうですが自己判断は避けましょう。

そして建築士さんや設計士さん等スペシャリストの確認を経由するようにしましょう。

お客様が依頼している内装業者さんが、熟知している方であれば大丈夫です。

そして適合させるべきは適合させましょう。

当該変更部分は200m2未満だが、合算で200m2以上の特殊建築物の場合

例えば、各階に床面積60m2の区画が1区画のみの、4階建のビルがあるとします。

当初そのビルには、すべて事務所が入っていましたが、下から順番に居酒屋が入り、今では1階から3階が居酒屋、4階だけが事務所になっているとします。

そして近々、4階にも居酒屋が入ることになったとします。

居酒屋の用途は特殊建築物に該当します。

この場合、確認申請は必要でしょうか?

答えはYES、必要です。

でも用途変更の対象面積は60m2ですよね。

にもかかわらず、確認申請が必要なのはなぜでしょう?

実は用途変更の対象面積は、トータルで捉えることになっています。

1階から3階までの事務所→居酒屋の用途変更でしたら、特殊建築物への用途変更ですが200m2未満なので確認申請不要です。

(ただし繰り返しになってしまいますが、建築基準法その他法令は適合させなければならなりません。)

ところがこの度4階も居酒屋になることで、60m2✕4で240m2になるわけです。

よって確認申請が必要になります。

飲食店の新築物件に事務所が入り、その後飲食店が入る場合

例えば、当初飲食店の用途として建築され登記も飲食店とされた、210m2の物件があったとします。

新築当初、その物件には飲食店でなく事務所が入ったとします。

しばらくしてその事務所が退去し、その後飲食店が入ったとします。

さてこの場合、確認申請は必要でしょうか?

用途が飲食店となっている建物に、その用途通り飲食店が入ったわけですよね。

どうでしょう?

答えは、確認申請が必要となります。

実は用途変更は、新築当初の用途の登記が何であろうと、直近の用途を基準に考えます。

この場合登記は飲食店ですが、 200m2越えの特殊建築物への変更に該当します。

確認申請は必要です。

用途変更という言葉に存在する2つの捉え方

この記事の冒頭で用途変更とは、「当初の用途から他の用途に変更すること」と申しました。

実は用途変更という言葉そのものには、確定的な定義はありません。

誤解しないでくださいね、「『用途』を『変更』する場合、コレコレコウイウ変更だったら、コウしてくださいね」というのは明確に定められています。

それが定められているのは、建築基準法の第87条という箇所です。

しかしその箇所では、「用途変更とは、コレコレコウイウことです」みたいな言い方はされていません。

そういう背景からか用途変更のことを、「当初の用途から他の用途に変更する際の行政手続き」とご説明してくださる方もいます。

ここで言う行政手続きとは、確認申請のことです。

したがって確認申請を必要としない用途の変更については、「用途変更」という言葉を意図して用いなかったりするわけです。

こういう方々はもちろん、確認申請が不要な場合でも、建築基準法その他関係法令に適合させなければならないことはよくご存じです。

ところがそういう方々から説明を受けた方々の中に、「確認申請を必要としない用途の変更は用途変更ではない、よって建築基準法その他関係法令への適合も不要」と、誤まって認識される方がいらっしゃるようです。

店舗・事務所等事業用建物賃貸に携わっていると、稀にこのような、誤った認識をお持ちの方がいらっしゃいます。

確認申請不要な用途変更こそ注意を要する理由は、こういう事情もあるように感じます。

小規模であっても、また特殊建築物への変更でなくても、用途が変わる場合は、お客様の内装業者様が建築基準法その他関係法令を適切に理解なさっているかどうか、しっかり確認しましょう。

なお都道府県によっては、用途変更に関する説明冊子内で、用途変更を「当初の用途から他の用途に変更すること」と明確に定義しています。

この記事もそうしました。

まとめ

いかがでしたか?

是非この機会に用途変更の基本を押さえ、同一用途以外の物件にも積極的に客付けして参りましょう!

最後にポイントをまとめておきます。

□用途変更とは

当初の用途から他の用途に変更すること

□確認申請が不要な用途変更

1.変更となる床面積が200m2を越える場合

2.特殊建築物に変更となる場合

この2つが同時の場合

□特殊建築物とは

物販店舗・飲食店など不特定多数の者が利用する施設や、倉庫・自動車車庫など災害の危険性がある施設

□200m2未満を特殊建築物に変更する場合でも、建築基準法その他関係法令への適合は必要

□200m2以上を特殊建築物でない用途に変更する場合でも同様

□200m2未満を特殊建築物でない用途に変更する場合でも同様

□当該変更部分は200m2未満だが、合算で200m2以上の特殊建築物の場合、確認申請が必要

□飲食店の新築物件に事務所が入り、その後飲食店が入る場合、確認申請が必要

この記事は以上となります。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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この記事を書いた人

はじめまして。宅地建物取引士のケイヒロと申します。40歳代半ば過ぎに不動産会社に転職し、住居賃貸営業、店舗事務所賃貸営業を経て、今は売買営業をやっています。よろしくお願いします。

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