不動産会社で営業をやっていて、住居賃貸から店舗・事務所等、事業用賃貸に移ってくると、色々と聞きなれない言葉が多くて戸惑いませんか?
この記事では、不動産会社の事業用建物賃貸、とりわけ店舗賃貸のお客様方等や担当営業員が頻繁に用いている、視認性・路面店舗・ロードサイド店舗、リース店舗・サービス店舗といった、いわば業界用語みたいな言葉を集めてみました。
この記事を読めば、それらの言葉の意味が押さえられ、店舗貸営業の仕事が、より一層やり易くなりますよ!
では、どうぞ。
視認性とは
不動産の事業用賃貸物件、とりわけ店舗賃貸物件の情報を見ていると、「この物件は視認性が良いです」といったコメントを見ることがありますよね!
この視認性とは、どういう意味でしょう?
視認性とは「しにんせい」と読んで、その物件をパッと見た時に、目に留まりやすいかどうかを表す言葉です。
視認性の良い物件、もしくは視認性の高い物件とは、その物件をパッと見た時に、目に留まりやすい、目に入いりやすい物件のことを言います。
一方視認性の悪い物件、視認性の低い物件とは、その反対の物件のことを言います。
店舗物件は住居物件と異なり、その物件の視認性がとても重要です。
路面店舗と空中店舗
店舗賃貸物件に用いられる言葉に、路面店舗という言葉があります。
またそれと対比的な言葉として、空中店舗という言葉があります。
それぞれ見ていくことにしましょう。
路面店舗とは
店舗賃貸物件情報のコメント欄に、上述した視認性という言葉と共に、路面店舗という言葉を目にすることもあると思います。
単に路面店と表記される場合もあります。
私たちが暮らすそれぞれの地域には、繁華街とか商店街と呼ばれる、様々なお店が軒を連ねる通りがあると思います。
それらの通りは、一般的に電車等の公共交通のアクセスが良く、人通りも多いことから、店舗サイドからすると、それなりの集客力が期待できる通りになります。
路面店舗もしくは路面店とは、そのような通りに面した店舗のことで、かつ1階にある店舗のことを言います。
上述した視認性について言えば、路面店舗はそれが良い物件、それが高い物件に該当します。
路面店舗は一般的にその集客力も抜群で、物件によってはそこそこの高額賃料にもかかわらず、その水面下で賃貸取引が成立したりします。
空中店舗とは
空中店舗という言葉は、どちらかと言えば、その物件をアピールする言葉にあまり適さないようで、店舗賃貸営業の現場では、そこまで頻繁に用いることはないようです。
とは言え店舗物件をお探しのお客様の中には、その業種の特性により、むしろ空中店舗限定でお探しの方もいらっしゃったりします。
そういうお客様方からは、当然空中店舗という言葉は出てきますので、ここでしっかり押さえておきましょう!
空中店舗とは、やはり繁華街とか商店街と呼ばれる通りにある物件で、2階以上に存在する物件を言います。
捉え方は至ってシンプルです。
1階が路面店舗、2階以上が空中店舗です。
店舗物件の物件情報を注意深く見てみると、1階路面店舗がそれなりの高額賃料であるのに対し、空中店舗は比較的低額だったりします。
物件によっては、1階路面店舗の半額程度の場合もあるようです。
また空中店舗は、店舗OKとして建築したものの、結果として事務所が賃借している場合もりします。
ロードサイド(型)店舗
上述した路面店舗や空中店舗がある繁華街とは対照的に、電車の駅から離れた場所の幹線道路沿いに、多数の駐車スペースを備えた大型店舗を目にすることがあると思います。
このような店舗をロードサイド店舗、ロードサイド型店舗と言います。
その店舗に来る方々が、主に車で来ることを想定した作りになっています。
ロードサイド店舗と路面店舗は、道路沿いの1階という意味では同じですが、店舗のタイプは真逆であることを、押さえておきましょう。
【路面店舗の特徴】
・駅に近い/繁華街
・店舗:小さめ
・駐車場:少なかったり無かったり
【ロードサイド(型)店舗の特徴】
・駅から遠い
・店舗:大きい
・駐車場:必須で多数
不動産会社で店舗賃貸営業に携わっていると、物件を探しているお客様方から、「ロードサイドで○○ができる店舗を探してるんです」とか、「○○ができる路面店情報ありませんか?」などと言われたりします。
この機会に、路面店舗とロードサイド(型)店舗という言葉が意味する店舗物件をしっかり押さえ、お客様対応の際に、しっかり区別できるようにしておきましょう!
テナント
テナントという言葉は、不動産の店舗・事務所等、事業用建物賃貸の分野では、様々な用いられ方をします。
あまり神経質になる必要はありませんが、下記に3つ挙げておきます。
テナントという言葉は、事業用建物賃貸と同じ意味合いで用いられる場合がある
テナントという言葉は、事業用建物賃貸と同じ意味合い、住居賃貸の対の意味合いで、用いられる場合があります。
不動産営業において建物賃貸は、主に住居賃貸と非住居賃貸に分けることができると思います。
この非住居賃貸物件のことを、事業用建物賃貸とか、店舗・事務所等賃貸などと言ったりしますが、テナント賃貸と言う言い方をする場合もあります。
一般の方向けの不動産サイトに「不動産連合隊」というサイトがございます。
事業用建物賃貸の物件情報が充実しているサイトとして、ご存じの方も多いと思います。
例えばこの不動産連合隊などにおいても、テナントという言葉を、このように用いています。
テナントという言葉は、事業用物件の賃借人そのものを指す場合がある
例えば、「新しくできたビルの1階に入るテナントはコンビニです」と言ったりする場合があります。
この時テナントという言葉は、コンビニそのものを差していますよね!
このようにテナントという言葉は、その物件に入っている賃借人そのものを差す場合があります。
テナントという言葉は、「テナント店」と言う時、より限定的に用いられる場合がある
テナントという言葉は、とりわけ「テナント店」と言う場合には、限定的な意味合いで用いられる場合があります。
店舗賃貸の中でも、複合的な商業施設に入っている店舗のことを、テナント店と言ったりします。
デパートやショピングモールに行くと、必ずフロアガイドがあり、そこにどんなお店があるか、ひと目で分かるようになっていますよね。
あそこに載っている店舗が、テナント店です。
メジャーどころの飲食店や携帯電ショップ、ドラッグストアや百円均一ショップ等は、ショピングモール内に出店していたり、路面に出店していたり、ロードサイドに出店していたりしますよね。
そのような店やショップの出店担当者から物件の問い合わせがあった時など、路面店舗とロードサイド(型)店舗とテナント店の3つを、区別して捉えてお話しする必要がある場合があります。
「今、店舗をモールのテナント店と駅前の路面店で出してるんですけど、ロードサイドでも出したいと考えています。何か良い物件情報はありませんか?」とおっしゃられたような場合です。
この機会に、この3つを区別して捉えられるようにしておきましょう!
スケルトン
スケルトンという言葉は、住居賃貸ではあまり馴染みない言葉だと思います。
しかし事業用建物賃貸、とりわけ店舗賃貸では、基本用語の1つと言っていいと思います。
不動産の分野でスケルトンという場合、それは「躯体」とか「骨組み」ということを意味します。
内装が無く、コンクリートむき出し状態の物件を、ご覧になったことがあると思います。
あの状態が、スケルトンです。
店舗賃貸物件は、このスケルトン状態を、引き渡し状態とする場合がとても多いです。
店舗賃貸物件では、賃借人によって内装が色々変わるため、貸し出し対象はスケルトンだけにして、内装は賃借人持ちにするのが一般的です。
リース品
スケルトン物件を借り受けた賃借人は、自らの費用負担で内装工事を施します。
その際、内装全てを自費購入して備え付ける場合もあれば、その一部を、リース会社という所からリースして、備え付ける場合もあります。
この時、リース会社からリースして備え付けた一部の内装のことを、リース品と言ったりします。
ここでの詳細は割愛しますが、不動産会社の店舗賃貸営業員として、このリース品を扱う場合には、非常に注意が必要です。
リース店舗と居抜き
店舗賃貸物件によっては、予め内装が備わっている物件もあります。
この時、予め備わっている内装の位置付けによって、その物件のことをリース店舗と呼んだり居抜きと呼んだりします。
以下、リース店舗と居抜きについて、分けて見ていくことにします。
リース店舗
店舗賃貸物件によっては、賃貸人が内装をリース会社からリースして完成させた状態で、物件を貸し出す場合があります。
この場合賃借人は、物件賃料とは別に、リース料を支払うことになります。
あるいは物件賃料に、リース料が反映されている場合もあります。
このように、リース品を用いて内装を完成させた店舗賃貸物件のことを、リース店舗と言ったりします。
リース店舗は、スナックやバー、クラブなどの店舗に、比較的見受けられる貸し出し形態です。
居抜き
店舗賃貸物件によっては、その物件をスケルトンで借り受けた賃借人が、自らの費用で内装を施し、退去する際に、その内装を新たな賃借人に売り渡す形態のものがあります。
このように、不動産の賃貸借の対象はスケルトンのみであるものの、そこに賃借人が施した内装が備わっている物件を、居抜きと言います。
新たな賃借人は賃貸人からスケルトン物件を借り受けると同時に、前の賃借人から、備わっている内装を有償で(稀に無償で)譲り受けることになります。
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